ふわふわのブリオッシュに、たっぷりの生クリームが詰まったマリトッツォ。
今回は、いちごも挟んで春のマリトッツォです。
クリームを挟むブリオッシュは、やわやわフワフワではなく、少ししっかりめにしています。
あんまり柔らかすぎると、中身を挟んだ後にすぐ水分を吸ってしまって、ねっとり食感になりやすいから。
挟んだ直後にゴムベラ片手に齧り付くならいいんですが、私の場合は一緒に飲むドリンクの準備も必要ですし、やっぱり短時間冷蔵庫で休ませてちょっと馴染んだくらいが美味しいのではないかと思います。
マリトッツォとは?
ローマ発祥のスイーツで、イタリア語のmatito(夫)が名前の由来です。
昔は、男性がクリームに指輪を差し込んでプレゼントしたり、女性が男性の胃袋を掴むために作ったりしたそうで、愛を伝えるロマンチックなスイーツですね。
日本で言うと肉じゃがですかね?
日本では、数年前に大阪のとあるパン屋さんが売り出したのが、はじめてと言われています。ここ数年、「今年はマリトッツォのブームが来る!」と言われていますが、タピオカのような爆発的ブームはまだ来ていないようですね。ちなみに、去年からカルディでも冷凍のマリトッツォが販売されているようです。
最近ではマリトッツォを売っているパン屋さんも増えてきているようなので、気になる方は探してみてください。と言いつつも、材料的にはとてもシンプルなので比較的簡単におうちで作れます。
いちごとのベストバランスは?
今回は、春らしくいちごのマリトッツォです。このレシピのポイントは、クリームの甘みといちごの酸味のバランス。
どちらが目立ちすぎてもあまり良くありません。
また、見た目のインパクトに負けないくらいのいちご味にするには、フレッシュないちごのみだと風味が弱すぎます。
この問題を解決するために、甘さ控えめに作ったいちごソースを挟んでいます。
簡単にするために、市販のいちごジャムも試しましたが、甘みが強すぎでジャムだけ悪目立ちしてしまいました。
また、プレーンなマリトッツォには、クリームにオレンジの風味がついているものもありますが、いちごを挟むクリームにオレンジゼストやオレンジピールを入れると、お互いが邪魔をする上、ブリオッシュとの一体感がありません。
そこで、いちごとの相性も考えて、ブリオッシュにレモンの皮を入れることで、ほんのり柑橘の香りがありながらも、いちごをしっかり感じられるようにしています。
みずみずしいフレッシュないちご。
ほんのり柑橘がかおるブリオッシュ。
いちごの味を強化する甘さ控えめソース。
それらをつなぐ生クリームはあくまでも真っ白に。
どれが欠けても、最高のバランスは生まれません。
クリームを挟むときは、ブリオッシュに並行に切れ目を入れた後、上側からさらに斜めに切って少し切り取っておくと、クリーム部分の面積が増えて見栄えが良くなるし、いちごをキレイに挟めます。
文字で書くとわかりにくいので、カットの仕方は下の動画の2:10から。
パンを半分にカットしてサンドする方法もありますが、クリームがパンパン(パンだけに)に詰まっているの方がマリトッツォらしいと思うので、私は切れ込みを入れて、クリームを詰めた方が好みです。
ちなみに、指輪を差し込んで、婚約者にプレゼントする日は3月の第1金曜らしいです。気合いの入った諸君はホワイトデー代わりにいかがでしょうか?
もちろん指輪を拭く用にウェットティッシュも添えておくと評価アップ間違いなし。
イタリア・ローマの伝統菓子、マリトッツォ|ふわふわブリオッシュと生クリームのハーモニー|苺との究極のバランス
Course: 朝食, パン, スイーツCuisine: イタリア4
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hour30
minutes今年の流行スイーツは間違いなくコレ。
いちごと合うように、とことんこだわりました。
材料
- ブリオッシュ
強力粉 100g
砂糖 15g
塩 ひとつまみ
ドライイースト 小さじ1/2
牛乳 25ml
お湯 25ml
卵 10g
バター 10g
レモンゼスト 1/2個分
(あれば)- 苺ソース
いちご 6粒
砂糖 10g
レモン汁 小さじ1
- クリームといちご
生クリーム 100ml
砂糖 15g
いちご 6粒
飾り用粉砂糖 適量
作り方
- ブリオッシュ
- お湯と牛乳をあわせ、40度程度に調整し、砂糖ひとつまみ(分量外)とイーストを溶かしておく。
甘い生地は特に発酵が進みにくいので、先に温めておくことでイーストを活発にする。 - 強力粉・残りの砂糖・塩を入れたボウルに1.のイースト溶液と卵を入れ、粉気がなくなり一塊になるまで捏ねる。
レモンの皮をすりおろし、生地に加える。 - バターを追加し、表面がつるりとするまでこねる。
初めはバターがべたつきますが、根気よく捏ねるとキレイになじみます。 - 乾燥しないようにラップ、または濡れぶきんをかけて暖かい場所で一次発酵。1.5−2倍程度になるまで。
オーブンの発酵機能でも。 - 発酵が終わったら、4等分に切り分け丸める。
数分ベンチタイムをとって(ここでも濡れ布巾をかける)生地を休ませ扱いやすくしたら、一度生地を潰してガス抜きをし、丸く成形する。 - 2倍の大きさになるまで2次発酵。
形が崩れないように、ここでは乾燥防止に霧吹きをして発酵させる。 - 生地に入れた卵が残っているので、表面に塗って、200度に予熱したオーブンで10−12分、キレイな焼き色がつくまで焼く。
- いちごソース
甘い生地は発酵に時間がかかるので、一次発酵の間に作る。 - いちごをフォークなどで粗く潰し、砂糖・レモン汁を加えて弱火で煮詰める。スプーンですくって、ぽってりとひとかたまりに落ちるくらいの硬さまで、かなり水分は飛ばしておきます。
- 生クリームと組み立て
- ブリオッシュが冷めたら、横から見て平行に、下1/3の部分に切り離すギリギリまで切れ込みを入れる。
切れ込みの5mmほど上から、斜め下に向かって2つ目の切れ込みを入れ、半円形に少しブリオッシュを切り取る。(カットしたスイカみたいに) - 砂糖を加えた生クリームを泡立てる。
少し固めにしておくと、ダレずに挟みやすい。 - ブリオッシュの切れ込み部分にいちごソースを上下ともに塗る。
ふちにはつかないようにしておくと、クリームに滲まないので見た目がきれいです。 - ヘラでたっぷりとクリームをとってブリオッシュに挟む。
表面はブリオッシュの切れ目にそわせて、端から一気にならす。最後まで一度でならすと無駄な線ができずなめらかに仕上がります。 - へたをとって、縦半分にカットしたいちごを埋め込む。
1個につき1.5個が適量です。 - 粉砂糖を振りかける。